牛島兄弟「だれかの映画史」

衝動買いした本を紹介します。

 

牛島兄弟「だれかの映画史」
税込648円

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兄の牛島俊雄さんが文章を、弟の章雄さんがイラスト・コラージュを担当しています。

 

ツイッターでくつしたさんが紹介していて、無性に読んでみたくなりました。私はくつしたさんの映画ブログ「観ているうちが花なのよやめたらそれまでよ」のファンで、ツイッター上で何度かやりとりをさせてもらっています。くつしたさんがツイートした本の画像が格好良かったから、映画が好きだから、自分のブログにも「史」がつくから、おそらくそんな動機が私の指をシャーシャー走らせ、ツイートを読んだ翌日に牛島俊雄さんに書籍代を振り込み、送っていただきました。

 

牛島俊雄さんがご自身について、そして映画について語っている「だれかの映画史」。一章読む毎に本を閉じ、足元で寝ている愛犬を撫でました。この表現好きだわーって箇所に出会ったときも、本を閉じて数秒ボーっとしました。特に、エスプレッソを初めて飲んだ時の感想がすごく好きでした。襟足が長いという「マレット」というフレーズが気になって画像検索したら、先端にボンボンがついた細い棒が出てきました。打楽器のバチらしい。

 

私は映画で、主人公が片思いの子を愛おしそうに見つめているシーンが好きです。最近でいうと、シングストリートの汽車のシーン。あれ、バスだったかな・・いや多分汽車。この本を読んでいると、牛島俊雄さんが色んな対象をじっと見つめている絵が浮かんできます。愛おしいとか、そんな大仰な思いが含まれているかはわかりませんが、揺れるTシャツを眺める様子や、映画館で家族の横顔をそっと見つめる牛島さんがぼんやりと頭に浮かんでくるのです。そして、自分も同じように、色んな対象を目で捉えているんだよな、自分の視線の先にあるもの、ぼんやり見ているそれをもっと言葉にしたい。そう思いました。

 

人に何かを想像させるのは、表現したものが言葉の持つ意味以上の何かを発している証拠だと思います。お会いしたことも、ましてや数日前まで知らなかった牛島さん。そんな牛島さんが客観的に見つめる自分自身や、映画に救われたり楽しんでいる様子を、私は十分に感じ、自分を重ね、触発されました。章雄さんのイラストはどれも格好良く、見惚れ、俊雄さんの穏やかな文章とのバランスが凄く良いなぁと思いました。

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紹介された映画はどれも観たくなり、あぁこのシーン牛島さんが好きなシーンだ、と思いながら鑑賞したいと思いました。映画って、真っさらな状態で観る楽しさも、こういう楽しさも、両方あっていいと思います。

 

最後に、「マレット 襟足」で調べたら、ヘアスタイルの名前だったことを知りました。外国の俳優の名前かキン肉マンのキャラクターかと思ったけど違った。

 

「だれかの映画史」が気になった方はこちらを読んでみてください。
http://pointblanksoulagitation.blogspot.jp/2016/12/blog-post.html?spref=tw&m=1