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荻上直子監督作「トイレット」

僕モテを通して出来たお友達、ウシダトモユキさん。
ウシダさんの映画ポッドキャスト「無人島キネマ」【航24 あなたの映画論】回に、私は下記のお便りを送りました。

 

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私は「最初は反対していた家族や仲間が、徐々に主人公の熱意にほだされ、最後には応援する側に変わっていく映画」が好きです。
夢を持った主人公より、応援する側の人に注目している自分がいます。「リトルダンサー」や「遠い空の向こうに」のお父さん、「クリード」のお母さんなどがそうです。

主張していた意見を変えるってとても勇気がいることだと思うんですよね。自分が主人公を教育する立場ならなおのこと。ブレること、ブレたと周囲に思われることを恐れずに行動する姿に胸が打たれます。

このテーマでウシダさんが思いつく映画があったら教えてください。
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このお便りに対して、ウシダさんは「ダンシングヒーロー」と「トイレット」をお勧めしてくれました。

 

2010年公開 荻上直子監督作「トイレット」
だいーぶ前にDVDで観たんですけど、荻上監督の過去作「かもめ食堂」や「めがね」に比べたら印象が薄く、ほとんど覚えていませんでした。今回、観直してみたら、これがいい映画だったんですよ。

 

母の死をきっかけに、長男・次男・末の妹・祖母が共同生活を送るお話。内容に触れますよ。引きこもりの長男は、勇気を出して外に布を買いに行き、母の残したミシンで自分が履くスカートを作ります。そのスカートを履いて、今まで距離を置いていたピアノと向き合います。家族に、「何故スカートを履くのか」と問われた彼の返答は、とてもシンプルで胸を打つものでした。
次男はいつも同じ水色のシャツを着ています。周りからは着替えないだらしない人に思われるのですが、実は同じシャツを何枚も揃えてるだけで、きちんと着替えています。プリプリのダイヤモンドの歌詞「好きな服を着てるだけ 悪いことしてないよ」を実写化したような映画。

 

祖母役のもたいまさこさんは、劇中でのセリフは一つだけ。普段はずっと黙ったままなのですが、表情や佇まい、行動だけでこちらに訴えてくるものがあります。言葉の重要性はいつも感じているものの、それと同じくらい、言葉ではないものでも伝えられるものはあるんだと感じます。うちの愛犬は、私の友達や母から「優しい」と言われています。愛犬は一言も発しないけど、あの子は優しい子だからねぇ、ほんといい子だよねぇ、とよく言われます。はい、そうなんです(ノロケ)。あんなにずっと無言だったのに、観た後は、もたいさん3人にめっちゃエール送ってたな、と思いました。

 

この映画、観たけどもたいまさこさんの発する一言を覚えてない、という方がいたら是非もう一度観てもらいたいです。真似したくなりますよ。今度餃子一緒に食べながらトイレットの話しましょう。

 

ウシダさん、観直して良かったです。ありがとうございます。