つい先月まで、窓の外は幹と枝の茶色だらけだった。今は一面、緑色。全部引っこ抜いて植え替えたんじゃないかって疑うくらい、景色が違う。成長、早すぎないか?準備してる感を見せない。頑張ってる感を見せない。私はちょっと拭き掃除したりなんかすると、京極さんに、「掃除したさ!!」と鼻の穴を膨らませて報告し、褒めてもらおうとする。「えらい!」って言われたい。ふふーん、と得意な顔をしたい。

 

昨年7月、日当たりの良さと風に揺れる緑の木々が気に入って、この部屋を選んだ。だから、雪の白さと裸の木が広がる冬の景色に寂しさを感じた。そんな時に私の目を保養してくれたのは、観葉植物だった。今まで、観葉植物を育てた事がなかった。すぐ枯れるのではという心配をよそに、生き生きとした葉をつけている。

 

ポトス、パキラ、カポック、ゴムの木、コーヒーの木、ベンジャミン、アジアンタム。皆、個性がある。水やりがうまくなかったのか、アジアンタムだけは見るも無残な姿になった。モコモコした可愛いらしい姿が、カサッカサ。落胆して捨てそうになったが、かろうじて息がありそうなものだけ残した。恨めしい顔で眺めていると、徐々に初々しい若い葉が増えてきて、「!!!!」ってなった。なんて健気な・・。一つの鉢にいくつもの季節がある。

 

何かの成長を見守るって、生活する上で大事なことなのかもしれないなぁなんて思ったりする。愛犬も、観葉植物も、守ってるつもりでいるこちらが、守られているような、かけがえのない何かをもらっているような。それが、潤いなのか、張りなのか、癒しなのか、ぴたっとする言葉はわからないけど、きっと、自分の身体や気持ちに水をやったりする事も同じくらい大切な事なんだろう。なんか気取ったまとめ方をしちゃった。はず。もうなんせ褒められたいからさ。