初映画

一週間前の自分のブログが、遠い昔のおとぎ話に思えるくらい、関係性が変わった。付き合ってはいないし、一切の触れ合いもない。だけども、変わった。お互いの日常に、いきなり食い込んできたお互い。あっさり平常心でいられるようになった自分だけど、相手は捉えどころのない時間を過ごしている感じのような。それでも楽しんでくれている事は伝わってくる。あまりに順序正しい進み具合。お互いに好きなものがあり、自分の生活を確立している今、出会えて良かったと思う。母も元気に過ごしている。

 

2人で初めて観た映画は「スイス・アーミー・マン」。観ながらニヤニヤしていたらしい。私は何度も「フッ」と静かに笑ったり、ジーンとしたりしていた。車窓のシーン、素晴らしかった。その人はその日の夜、私が勧めた「ホーンズ」を観たそう。ラドクリフ君デー。映画はそんなに観ていないと言いながら、たまむすびの町山さんのコーナーが前から好きだと言っていた。

 

課題図書は読み終わったけど、まだ1行も書けていない。今日は読み直す代わりに、本に付随するある映画を観た。本も映画も大好きだ。

 

 

こんなもの

待ち合わせ場所まで、地下鉄ではなく1時間歩いた理由は、ソワソワしていたから。カウンターが好きな理由は、真正面だと照れるから。

 

そういう事は素直に言える。でも別れ際、「今度は(そちらから)誘って欲しい」と言えばいいのに、「〇〇さんは私を誘いますか?」と、よくわからない問いかけをしてしまった。ぎこちないにも程がある。誘いたくない場合、答えにくいだろうが。幸い、誘いますよ、とすぐに言ってくれたからよかったけど。

 

私は今、その人にうつつを抜かしている状況なのだろう。このご時世、小学生でももっと手練手管な子はいるだろう。36歳でも、バツイチでも、惚れたらこんなものなのです。いつだって若葉マーク。

愛犬へ報告

5人で飲んだ帰りの地下鉄。

男性・女性・その人・私・男性の並び。向かいの座席には誰も座っていないから、ガラスには5人が映っている。それを視界の端っこで捉えて、すぐに目をそらした。本当はガラスに映ったその人を見たかったのだけど、もし目が合ったらどういう顔をしていいかわからないから、一度もガラスを見れなかった。

 

次の日、映画と夜の予定の間の2時間、その人と会った。パターソンを観ながら、映画が終わって下に降りたらその人がいるんだと思ったら、手に汗が滲んだ。まだまだこんな気持ちになれるんだ。階段を降りながら、いい匂いのするハンドクリームを塗った。横を歩いていると顔を見なくていいし、こちらも見られなくて済むからちょうどいい。いい子な振りをすることもなく、いつも通りでいられた。また会いたいと思った。

 

どうなりたいのかは自分でもわからない。好かれたいのか、身体を重ねたいのか、付き合いたいのか。なんだか、どれも違うような気がする。愛犬に、好きな人が出来たよ、と報告をした。愛犬は今日もとびきり可愛い。

いい夜の歩み

母と夕食を共にした。レモンサワーを一口あげた。母は烏龍茶。母の最近お気に入りのアイスはヨーロピアンなんちゃらってやつで、時々一日二個食べてるそう。体重は人生でマックスなので痩せたいらしい。私はお気に入りの猫のホイップクリームちゃん(通称ホイちゃん)の画像を見せた。頼んだ料理の数がちょうどよかった。美味しく食べてくれた。

 

365日、今日みたいな天気だったらいいね。そんな事を話しながら、すすきのから大通まで歩いた。大通のツタヤを二人でウロウロしながら、おススメをメモしてと言われたので、愚行録・友達のパパが好き・淵に立つ・SING・キャロル・リリーのすべて・カルテットをメモ。私がワーワー言うから、改めてローマの休日を観たらしく、2人でオードリーを褒めまくる。母からはシェルブールの雨傘を勧められた。観よう。

 

おー!松尾さん(Aスタジオ見てる)

 

北洋ビッセのBoccaでミニソフトクリームを食べた。ワッフルコーンが好き。そこからは大通駅が近いけど、札幌駅まで歩いてみると母。札幌駅に着いたら、もう少し歩けそうとの事だったので、家の方まで歩いた。歩きながら、私の親友の話をした。

 

母と別れ、イヤホンをして、ダンサブルを聴く。大きい声で「オッオー!」と言いながら小刻みに体を揺らす。母はすすきのから家まで歩いたのだ。すごい。父もいて欲しい夜だった。私史上ベスト今更新中。

 

 

私信のようなもの

父の葬儀の次の次の日には、会社にいつも通り出勤しました。最も近い肉親が亡くなって一週間も経っていない状況でしたが、ありふれた日常に身を置く事を選びました。お通夜に来てくれた方々へお礼を言い、お悔やみの言葉を受け取り、私を見る周りの目に何かしらの感情が含まれている事を認識しながら、仕事をしました。一か月前に父の手作りのお菓子を職場の女性陣は食べていたという経緯もあり、このあまりに急な出来事に、戸惑っているのは自分だけじゃないんだと感じていました。荒っぽくて口が悪い男の先輩が、1行だけの慰めのメールをくれました。その人の背中を見つめ、お礼のメールを返しました。お通夜の日に自身の結婚式があった同僚が、お通夜に参列出来なかった事を詫びに来ました。かえって気まずい思いをさせて申し訳ないと思いました。

 

こういった対応をしながら、私は自分の目が潤んでくる事に気が付きました。職場で泣くなんて言語道断。ありえない。なんとか堪えました。そんな私の様子を感じ取った女性の先輩が、私の手からマウスを取り上げ、立ち上がったファイルを消し、パソコンをシャットダウンし、彼女に促されるまま、私は早退しました。私は、「やさしさ」について考える時、いつもこの女性の事を思い出すのです。きっと、無理しないで帰りなっていう言葉だけだと、大丈夫です、と答えて終わっていたはず。一歩踏み込んだ行動でしか伝わらない事もあると教わった出来事でした。ほんの一瞬の出来事が、生きる上での指針になったり、暗い影になったりするから、油断ならないなぁと思います。

 

しのちゃん、カラシニコフ不倫海峡読んで、書きたくなったのはこれだった。恋愛の話じゃなくて肩透かしかな。コロ助って出てきてしのちゃん思い出したよ。いや、読みながらずっとしのちゃんが脳の後ろあたりにいた。私に読んで欲しいと思ってくれてありがとう。私は好きになっちゃいけない人なんていないと思ってる。墓場まで持っていける話が多い人生は、誰かを大切に守ってる人生でもあると思うのです。

字余りのツイートのようなもの

今日の飲み会で隣になった人が話しやすくて、同い年って事がわかって余計親近感が湧いたんですけど、他の方が、「(こいつ独身だけど)どう?」って感じで、私に聞いてきたんですよね。私はその人に好印象を持っていたのに、咄嗟に、「いや、私バツイチなんで申し訳ないです」みたいな感じで答えてしまいました。なんとなくね、それが自分でちょっとショックというか、何が悲しいって、結構それが現時点での本音だったりするからなんです。まっさらな人には自分はふさわしくないと思ってしまう。いかんなー。この考えは変えた方がいい。何をもってまっさらなのか、そんな基準なんてない。また話したいと思うなら、行動すればいい。

ソース

お隣さんからとうきびをもらった、と母から連絡があったので、実家に寄ってきました。テーブルには、ラップにくるまれた茹でとうきび、綺麗に盛られたレタストマトキュウリブロッコリー、ウィンナー。「これ食べたことある?」と私に見せてきたのはやきそば弁当 旨塩味。無いわ、食べる、と言うと母が袋からかやくを開け、お湯を入れてくれました。人にカップ麺を作ってもらったことありますか?意外になくないですか?「二重生活」で菅田将暉があの状況で麦ちゃんにカップ麺作ってあげたの、すごく好きでした。「普通のやきそば弁当はソースの味が濃いけど、これはあっさりしていて食べやすいの」という母が、生野菜に中濃ソースをたっぷりかけて食べていたのを、私は見逃しませんでした。母は今は野菜が食べたい時期のよう。どんどん食べてくれ。最近思い切って買った桃が美味しくなかったようで、がっかりしていました。甘そうな桃、差し入れしたい。茹でとうきびは抜群の甘さ。ピカピカの黄色。最近連れて行ってもらった焼き鳥屋さんにとうきびと紅ショウガのかき揚げがあってね。「歩いても歩いても」で樹木希林さんが作るとうきびのかき揚げを羨望のまなざしで見ていた私はメニューを見て興奮しました。味も絶品!母にも食べてもらいたいけど、母は鶏肉が一切食べられないから、迷いどころ。

 

実家には沢山のぬいぐるみがあります。昔、母はブンブンを買ってきてと父に頼んだのに、間違えてツネキチを買ってきたらしく、後にブンブンもやってきたのに、今でも家にいるのはツネキチの方です。そのツネキチにはトンちゃんという熊のぬいぐるみが彼女という設定で横にいます。父が母にプレゼントしたトムとジェリーのジェリーのぬいぐるみは母の宝物のようで、棺に入れてあげるからね、と昔から言っています。今の時代は棺になんでもかんでも入れられないので、きっと叶わないかもしれません。そのジェリーちゃんには、たまちゃんという猫のぬいぐるみが彼女という設定で横にいます。

 

矢沢あいの「マリンブルーの風に抱かれて」の他、折原みとの漫画を4冊、実家からこちらの家に持って帰ってきました。折原みとの漫画はどんな話か完全に忘れていたのに、いざ開いたらあーはいはいといった感じであっさり思い出し、迂闊にも涙ポロリでした。「おつかれさま」って相手の頭に缶ジュースをコツってあてる古い感じもグーググーググーググー(コーーーッ)。今度阿部ちゃんに押し付けてみようっと。カビ臭いけど。