母と星

先日の話。

ソロキャンプから帰ってきた日の夕方に、母に電話した。前日の夕方に「実は今、初めて1人でキャンプに来てるんだ」と電話で伝えていた。

 

どんな天気だったか、食べたものや読んだ本、順調にいったこと、いかなかったこと、色んな話をした。キャンプとは決してイコールで結ばれない、インドア体質の私をよく知る母は、全てを興味深そうに聞いてくれ、無事に楽しめた事を喜んでくれた。そして母は、星が綺麗に見えた?と私に問いかけてきた。

 

私がテントの中で寝返りを打っていた夜中、母は家の前のゴミ捨て場にゴミを捨てに行ったとの事。空を見上げると星がいくつか見れたようで、その時、「ゆみちゃんは自然に近いところにいるから、もっと沢山の星を見れてるのかもしれないと思った」と母は言った。

 

私はそれを聞いて、その日の夜、一度も、ほんとに一度も空を見上げなかった事に初めて気付いた。19時過ぎにはテントに入って本を読んでいたが、何度かトイレには行った。でも、暗い中での移動は終始ソワソワし、早歩きで行って戻って、テントのファスナーを閉めてホッとする、という状況だった。今思うと、めちゃくちゃ視野が狭かった。ソロキャンプという初めての経験という事ももちろんあったが、コロナ禍に入ってから夜に出歩くことが殆ど無くなったのも影響してると思う。今まで当たり前だったことがそうじゃなくなった。

 

「うわぁー空見なかったわぁ・・」と正直に言い、母とメモリアルな感情や景色を共有出来なかったことが残念だった。次こそは、と思いつつ、以前、朝起きれないから後ろめたい気持ちで夜中にゴミを捨ててると言っていた母が、そんな中でも空を見上げ、星に目を留め、私のことを考えてくれた事実が、あれからずっと胸の中でキラキラと光っている。

 

次は、星綺麗だったよって報告したいな。