今度会ったら、じゃなくて今言おう

昨年末、高校からの友達とご飯を食べた時に本の話題になった。月に1回旦那さんとお子さんと3人で本屋さんに行って、気になった文庫本を5冊ずつくらい買うんだ、と彼女はキラキラした表情で話していた。きっとお店に行く前も、選んでる最中も、帰り道も、1ページ目を開く瞬間もワクワクしているんだろうな。そんな表情だった。

 

彼女の影響で今年は読書量が増えている。彼女が最近気に入っていると言っていた作家は知念実希人。私は知念実希人の「優しい死神の飼い方」が面白かったから、今度彼女に会ったら伝えようと思っていた。ある日、彼女からお勧めしたい本があるとLINEが来た。それは「優しい死神の飼い方」だった。その本には犬が出てくるのだけど、彼女は私の愛犬を思い出しながら読んでいた、と私に伝えてくれた。「〇〇(愛犬の名)はゆみの考えてることとか理解してそうだもん」とも書いていた。わざわざ連絡をくれた事も嬉しかったし、愛犬が読書のお供をしていた事も嬉しかった。自分は友達にマメに連絡をする方ではなく、会ったら言おうと思ってる事が結構あって。いかんなと。ちょいちょい言っていかないといかんなと。そう思い知らされた出来事だった。

 

今朝、東野圭吾の「パラレルワールド・ラブストーリー」が映画化するってネットニュースを読んで、その子に「おはー!これ、〇〇がダメージ受けてた本じゃなかった?」ってURL付でLINEしたら、「YES!!」っておこじょが叫んでるスタンプで返ってきて笑った。大昔、この小説の切なさに彼女はやられていた。きっと見る、らしい。私は、今度会ったら言おう、を溜めなかった。

 

ついさっき、彼女から湊かなえの「花の鎖」を勧める連絡があった。私はすぐさま図書館予約した。誤って「鼻の鎖」と打った事を、牛の絵文字を添えて彼女に伝えた。