過去の刃

1つ前の日記を読み直す。自分が、何に不甲斐なさを感じていたのか全く思い出せない。そんなもんだ。今までの人生で、これ一生忘れないだろうな、と何度か思った。でも今は、何に対してそう思ったのか思い出せない。

 

数日前に部屋の片付けをしていたら、高校卒業時の文集が出てきた。そこには友達へ短いメッセージを寄せるコーナーがあった。私は親しい友人に対して、その子の容姿をいじるようなコメントを書いていた。それは、自分が持っていないものを持っている羨ましさからくる言葉であり、その頃はきっと、実際に同じ言葉を本人に向かって口にしていたのだろう。それが面白いとでも思っていたのだろう。持たざる者が、持ってる者がどういう思いを抱えているか何一つ想像せずに吐いていた言葉。20年以上前、その言葉を平気で放っていた自分。情けなかった。申し訳ないと思った。

 

その友達はどう思っていたのか。今も仲良しの友達だから、聞こうと思えば聞ける。こんな事書いてごめんね、と言える。本当は辛かったと言われたら、本当にごめんねと言う。

 

その子のご両親も読んだかもしれない。その子のお母さんは、私がかつて結婚をした時のお祝いとして、可愛いくて手触りのいいタオルを贈ってくれた。今もそれを枕の上に敷いている。今その枕の上に頭を乗せてこれを書いている。